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携帯ショップの張り紙 その2(2005/09/25)

昨日は一人で勝手に盛り上がってしまった…(^^;)

さて、機種変更と新規契約の値段が違うということを提起して終わったんだった。
最近はこういう値段設定も一般の人に浸透し、もうそういうものだと思っている方も多いことだろう。

でも、ちょっと知っておいて欲しい。そうなってしまった経緯を。そして、その販売形態について自分なりの考えを持っていただきたい。ナンバーポータビリティ開始を前にして、この販売形態の賛否についてユーザーが明確に意思表示する時期に来ているのではないだろうか。
実際に業界内でも、またネット上でも賛否両論、激しい議論が展開されているのを見かける。


では話に入ろう。


かなりおおまかに携帯端末の販売ルートを示すと…

携帯キャリア――→(卸売業者など)――→小売店――→ユーザー
                     卸値(4~6万円)  販売(タダ~4万円)
となる。
注目して欲しいのは、小売店への卸値。これだけを見ると、明らかに小売店は赤字。一体どうやって儲けているのだろうか。
小売店は、携帯を販売するごとに、携帯キャリアから販売報奨金をもらっているのだ。この額は数万円が相場となっており、各社・端末によって変わってくる。携帯キャリアの系列ショップに行くことがあれば、店員のカウンターを覗いてみるといい。運がよければ、カウンターに置いてある通達の書類の中に、報奨金に関する情報が見えるかもしれない。私も何度か目にしたことがある。また、各キャリアの記者会見等で報奨金について公開されることもあるので、興味がある方は見てみるといいだろう。

話がそれてしまったが、小売店はその販売報奨金を見越して値引きして売っているのである。
では、キャリアは報奨金を出したので、その分、元をとらなければいけない。数万円というのはかなりの額である。
それはどこから回収するのか。

…そう、われわれユーザーの通話料や基本料から回収しているのだ。
ユーザーの月あたりの支払い料金は、平均して6000~8000円とされている。ここから逆算して、元が取れるのはだいたい6ヶ月くらいだろうと試算しているわけである。
ということは、6ヶ月利用してもらわないと携帯キャリアは赤字になってしまうので、それを防ぐために、販売店に支払った販売報奨金をペナルティとして回収している。

結果として、短期解約されると損をするのは販売店なのだ。キャリアが痛手を負うことはあまりないと言っていいだろう。
だから、短期解約を防ぐために販売店は必死になっている。特にインターネットのショップの注意書きを見ていただくとよくわかる。あらゆるリクツを振りかざして短期解約阻止に躍起になっている。


そもそもなぜこのような販売形態になったのだろうか。
それは1994年の携帯販売自由化に端を発する。

携帯電話が従来のレンタル制から、買い上げ制に変わったのである。つまり、携帯端末をユーザーが購入する形になったのだ。また、NCC(ツーカーグループ、デジタルホングループ(現ボーダフォン))が相次いで参入し、PHSの普及も相まって、各社は価格競争を余儀なくされた。PHSが街頭で1円販売されていた光景を目にした方も多いことだろう。

この頃から、携帯電話はPHSの後追いをするように普及していく。
これから伸びていくであろう携帯・PHS業界は、まず顧客の獲得が最優先課題であった。そのためにはどうしたらいいか。…そう、入り口を広げたのである。つまり、1円という破格でまず契約者を増やし、後々、基本料や通話料で回収していくビジネスモデルを作り出した。

この手法は見事にヒットし、携帯電話契約数は爆発的に増加していく。しかし、21世紀に入り、契約者は飽和状態へ。すると必然的に新規契約者は減り、機種変更ユーザーが多くなる。

それは何を意味するのか。新規契約者は少なくとも基本料分の収入増加が見込めるが、機種変更ユーザーは基本的にキャリアの収入には影響しない。機種を変えたらパケットを多く使うようになった――程度の変化はあるかもしれないが、それは劇的な変化ではない。
ということは、機種変更に対しては報奨金を多く出すわけにはいかないし、基本料や通話料から報奨金の分を回収するにはある程度の期間使ってもらわなきゃいけない。前述したように、報奨金はユーザーの基本料や通話料から捻出しているのだから。機種変更の優遇価格が10ヶ月以上だとか、1年以上だとか決められているのもそのためである。報奨金分を回収できるのはそのくらいの期間が必要という判断をしているのだろう。


以上のような経緯があり、機種変更と新規契約の価格差ができ、新規契約の解約制限や機種変更価格優遇期間なるものが存在するのである。


本来ならば、携帯電話の基本料はまだ下がる余地がある。しかし、下げられないのはなぜか。そう、報奨金制度があるからだ。報奨金分をユーザーの基本料や通話料から確保するという体制が変わらない限り、これ以上料金を下げるのは非常に苦しいと言わざるを得ない。


じゃぁ、そんな変な制度なくしちゃえばいいじゃん。と思った方は、もう一つの側面を見てほしい。
こんな話がある。


――海外の携帯端末は、数万円が基本。ベーシックモデルでさえ2~3万することはざらで、高機能なフラッグシップモデルとなると10万を越えることもある。


海外では、端末の販売と、回線の契約は別個に行われている。つまり、携帯キャリアからの販売報奨金制度など存在しない。翻すと、これが本来の携帯電話の価格なのである。


読者の皆様には、前半のこまごました説明よりも、この部分について自分なりの考えを持っていただきたい。

つまり、極端な話…

1)通話料や基本料が多少高くても最新携帯が3~4万で買えるシステム
2)携帯端末が数万円、時には10万円を越えるような値段になったとしても、通話料や基本料がもっと安くなるシステム

どちらがいいかを、この機会に考えていただけたらと思う。
私の印象としては、1)が多いようだ。


携帯電話という機械は、本当は4~6万もするようなものだと思うと、もう少し丁寧に扱ってもらえるんじゃないだろうか(^^ ;)
実際、パソコンやPDAを雑に扱うようなことはしませんよね。

あ、こんな話になってしまったのは、短期解約についての話題だったからですね。
では、短期解約という行為そのものの是非についてはまた後日、書くことにします。

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