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携帯ショップの張り紙~その4(2005/10/03)

…後日書くと言っておきながら、1週間近く経ってしまった。
ちょっと遠くへ出張していたもので、なかなか原稿を書く暇がなかったんですね(言い訳(笑))。

では、それぞれの立場から、即解について考えてみよう。
私は、即解については、どちらかというと賛成派なので、そういう偏りがあることを念頭に置いて読んでいただきたい。
賛同できる人もいれば、できない人もいることと思う。それはそれでいい。とにかく、この携帯ショップでの「縛り」という問題に関して、一人ひとりが自分なりの意見を持ってもらえばいいのだから。


それぞれの立場とは、どういう立場があるのだろうか?
私は、
 携帯ショップ
 キャリア(電話会社)
 ユーザー
の3つに分けられると思う。
他に、端末メーカーや一次代理店など、細かくつきつめていくとたくさんありそうだが、ここでは大まかにこの3つの立場で考えて行くこととする。
所々に、私の意見を挟んでしまう事になると思うが、それはそれで勘弁していただきたい。


まず、携帯ショップの立場としては…
何よりも、インセンティブを確保することだろう。ショップにしてみれば、かなりリスキーな売り方になってしまっているのは致し方ない。
ビジネス形態が、インセンティブを見込んだものになっているのであれば、前提であるインセンティブがカットされてしまう短期解約は何としても阻止しなければならないし、それを続けられては一瞬で赤字に転落する。まさに、この一連の話の発端になった激安携帯ショップはこれに該当する。

販売する方としては、そのインセンティブ分を見込んでの販売をしているため、インセンティブカットになってしまう短期解約は避けたい。そこで編み出したのは、念書をもらうことであった。つまり、販売店独自の念書を用意し、署名捺印をもらうのである。その念書にはどういう文言が書いてあるかというと、主に次の趣旨の文章である。

「電話回線契約を○ヶ月間継続します。それまでの間に解約、休止等をした場合は、違約金として○万円を支払います」

というものである。
携帯電話の普及期、99年~2000年にかけて横行しただろうか。特に、短期解約が経営に直結する小さな携帯専門ショップにその傾向が見られた。しかし、この頃は大型家電量販店にも念書を取るところがあり、私自身も驚いたことがある。

小さな携帯ショップというのは、やはり大型家電量販店に対抗するには、とにかく価格で勝負するしかない。価格が安いということは、必然的に短期解約のターゲットになってしまうのである。何とも空しい話であるが、価格で勝負をしても、解約されてしまえば販売店にはまったく利益は入ってこないのである。

販売店は、あらかじめインセンティブ分の見込みを上乗せして販売価格に反映しているということ、また、回線契約を結んでくれる客を対象に販売している(逆に言うと、本来の販売対象ではない、回線契約の意思のない客には販売したくない)ということから、念書を取って確実に回線を維持する客だけを取り込んでいる。

つまり、そもそもの販売対象である客ではないので、そういう人たちを排除するために、念書を取っているのだ。確かにその通りだ。商売の邪魔になると言うことなので、本来の儲けを生み出す客を排除するのも合理性があるように思える。

ところが、即解約の対象になってしまうのは、いわゆる「底値」で販売している激安ショップである。確かに、前述したように機種変更の値段が高いから、即解をしてしまうという構図があるために致し方ないところでもある。しかし、よく考えてもらいたい。

携帯電話が普及し、このインセンティブモデルを利用して次々に参入してきたのは販売店の方だ。利益を上げるために、携帯電話の販売というマーケットに目をつけたのだ。こうして乱立した販売店同士は何で競争するかといえば、そう、価格しかないのである。キャリア直営の販売店は、アフターサービスを扱える。大型家電量販店は、別の商品で集客でき、また損失分をカバーできるのだ。

儲かるからと次々に参入し、過激な価格競争を煽った挙句に、インセンティブの確保のために、ユーザーに負担を強いるような販売方法が許されるのだろうか。
そもそも、インセンティブモデルで経営を維持するのであれば、短期解約目的の客が来て、インセンティブが取れなくなるということも想定して価格設定をするのが本来の経営なのではないだろうか。それを、短期解約の客は儲からないからと、排除していく手法はいかがなものだろうか。

ガソリンスタンド業界も、一時は規制緩和の波に乗って、つぎつぎにスタンドが乱立した。その結果、過当競争にさらされ、次々と閉店していった。現在、ガソリンスタンドの儲けの中心は、もはやガソリンを売ることではない。「サオダケ屋はなぜ潰れない」の本が流行っているが、それと似ているような気がする。
ガソリンではなく、オイルやタイヤ、整備の代金で儲けを生み出しているのである。これが、給油だけの客はおことわり―としたらどうだろうか。まったくもって話にならない。
理論がちょっと飛躍しているかもしれないが、儲けを生み出さない客をあらかじめ排除し、確実に儲けを呼び込む客だけを相手にする。このような経営手法がまかり通ってしまう業界なのである。今でも、念書を書かないまでも、きっちりと販売時に確認されるケースが少なくない。

興味のある方は、インターネットのショップを見てもらいたい。あらゆる文言、理論を振りかざして短期の解約を阻止しようとしている。この記事をここまで読んでいただいた方なら、きっと意識の高い方であろう。ぜひ検索して、見ていただきたい。

このように、ショップ側はインセンティブモデルというシステムをとっているため、その割引分を見込んで販売している。しかし、ユーザーにしてみれば、そんな背景があって安くなっているなんてことはよっぽどの人じゃないと知らない。そう、サオダケ屋でサオダケだけ買うのが悪いのだろうか。いや、決してそんなことはない。販売店によって解約を制限させられ、無駄な基本料を払っているのは、まさに販売店の都合でユーザーが不利益を被っている典型例である。

販売店からの視点だと、こんな感じになってくるだろう。

次回は、キャリアからの視点で考えてみたい。

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