SIMロック(2006/08/26)
SIMロック解除業者がついに摘発された。
SIMロックとは、簡単に言うと、特定のキャリアのSIMカードしか受け付けなくする措置のことをいう。例えば、SIMロックがかかっているFOMA端末にボーダフォン3GのSIMカードを差し込んでも利用することができない。
この措置はモチロン、現在の携帯電話販売手法であるインセンティブモデルによるもの。端末の販売が回線契約とセットになることで、回線利用料から端末販売の際にかかる販売報奨金を回収している。ところが、SIMロックがかかっていないと、新規契約後、即解約して他社のSIMカードを差し込んで利用する事ができてしまい、解約された会社は回線利用料から販売報奨金を回収する事ができずに大きな損害を被る。そのような経緯で、日本の3G端末には全てSIMロックがかかっている。
そこで、だ。
ならば、SIMロックを外してしまって、別キャリアのSIMカードを利用できるようにすればいいじゃないかという考えが出てきた。海外よりも遥かに高性能な端末が安価で手に入る日本の携帯電話市場は、海外からみると非常にオイシイ存在でもある。即解約してSIMロックを外し、海外に転売したとしても十分な利益をあげる事ができるのだ。実際、インターネットオークションでもSIMロックを外した端末が多数出品し落札されているところをみても、その需要の大きさが分かるだろう。
インターネットを見ても、SIMロック解除に関するサイトはたくさん見つかる。今回の件のように、端末自体の販売をするのではなく、客が所有する端末を預かって処置を行うものが多いので、同じような理由により摘発することは難しいのではないかと考えられるが、何かの法令を適用して摘発する可能性も否定できない。
そのSIMロック解除だが、ターゲットは皮肉にも海外(GSM方式)対応を積極的に推進してきたボーダフォン端末となってしまった。家電量販店等ではボーダフォン端末の即解約防止策を打ち出し、店頭でも警告の貼り紙を出すなどの対応を迫られた。実際、ボーダフォンショップでも3G端末の大量の短期解約事例があるようで、当のボーダフォンもその現状を静観していたわけでもなく、当局にも相談していたところ今回の件に至ったわけである。ビジネスモデルの転換も含めた対応を求められる現在の携帯電話市場。次第に端末価格が上昇する中、どのように動いていくのだろうか。
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